2026.07.17
AIは、もう無視できない!~アンケート結果から見えてきた、リフォーム業界の新しい変化~
目次
1. はじめに
「生成AIは話題になっているけれど、自分たちの仕事にはまだ関係ない。」
そう感じている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、今回、リフォーム評価ナビが登録事業者を対象に実施した「AIって実際どう? リフォーム事業者の本音アンケート」では、リフォーム業界でもAIが急速に浸透し始めていることが明らかになりました。
そして、注目すべきなのは、AIを使っているのは事業者だけではないということです。
お客様の情報収集の方法そのものが変わり始めているのです。
この変化は、今後の集客や情報発信のあり方にも大きな影響を与える可能性があります。
2. 半数以上の事業者が日常的にAIを活用
まず、自社でのAI活用状況について尋ねたところ、
* 日常的に活用している 54.4%
* 時々活用している 22.1%
となり、約8割(76.5%)の事業者が何らかの形でAIを利用しているという結果になりました。
生成AIは、いまやリフォーム業界でも日常業務を支えるツールとして使われ始めています。
実際の活用内容を見ると、多岐にわたっていることがわかります。
3. 「時短」だけではないAIの効果
AI導入による効果については、
* 事務作業時間の短縮 60.3%
* 精神的ハードルの低下 47.1%
* 提案の質の向上 41.2%
という結果でした。自由記述では、
「普通に検索するだけでは気付けなかった知識を教えてくれる。」
という声もありました。
文章を書くことが苦手でも下書きを作ってもらえる、アイデア出しの相手になってくれる、情報を整理してくれる――。
AIは"答えを出す機械"というよりも、"考えるパートナー"として活用され始めています。
4. 本当に注目すべきは、お客様の変化
今回のアンケートで最も印象的だったのは、お客様側の変化です。
「お客様がAIを使ってリフォーム会社を探したり、知識を得たりしていると感じますか」という質問では、
* 頻繁にある 8.8%
* 時々ある 51.5%
となり、60.3%の事業者が、“お客様のAI活用”を実感していることが分かりました。
自由記述には、非常に興味深い事例が数多く寄せられています。
「お客様が 『リフォームが初めてなので、どこに連絡していいか分からず
ChatGPTに聞いたところ、 「口コミ評価が高くお勧め」と出てきたのでTELした』 と仰っていた。」
「自分が望むリフォーム内容、リフォーム会社に求める像を情報としてAIに相談したら、弊社が一番に候補に上がってきた というお客様からの問合せが最近、立て続けにあった。」
「希望の間取りやデザインをAIでまとめてお問い合わせいただくケースがある。」
「お客様自身がGeminiで作成したクロス張替のイメージを共有してくれた。」
これらは決して将来の話ではありません。すでに現場で起きている出来事です。
つまり、お客様はGoogle検索だけでなく、ChatGPTやGeminiなどのAIを利用して会社選びを始めているということです。
5. AI検索の時代は、「一次情報」が重要になる
「AI検索では口コミや施工事例などの一次情報が重視されることを知っているか」
という質問も行いました。その結果、
「知っており、すでに取り組んでいる」は25.0%にとどまり、「知っているが具体的な対応はできていない」が44.1%、「今回初めて知った」が30.9%でした。
AIは、実際のお客様の口コミや施工事例、公式サイトの情報などを参考に回答を作成する傾向があります。
だからこそ、「AI対策」と聞くと特別な技術を思い浮かべがちですが、実際には、
施工事例を充実させる
お客様の口コミを増やす
正確な会社情報を掲載する
よくある質問を充実させる
といった基本的な情報発信が、これまで以上に重要になります。
今後、評価ナビサイトの自社店舗ページの掲載内容で力を入れたい、充実したい項目を聞いたところ、
* お客様の口コミ・評判 69.1%
* リフォーム事例 67.6%
* 公式ホームページとの連携 64.2%
* AIに引用・参照されやすい情報整備 45.6%
が上位を占めました。
AI時代だからこそ、「実際の施工実績」と「お客様の体験」がより大きな価値を持つ時代になりつつあります。
6. 一方で、「AIを過信しない」という姿勢も重要
もちろん、AIは万能ではありません。
アンケートでも、多くの事業者が
「職人目線から見ればまだ違う回答もある。」
「技術的な内容は再確認が必要。」
「もっともらしい回答でも間違っていることがある。」
「情報漏えいには注意が必要。」
といった課題を挙げています。
だからこそ、AIを"任せる相手"ではなく、"補助してくれる道具"として使う姿勢が大切です。
最終的な判断やお客様への説明は、これまでどおり私たち人間が責任を持つ必要があります。
7. AIを使うかどうかではなく、「どう使うか」の時代へ
アンケートでは、「今後AIを積極的に活用したい」と答えた事業者は82.4%に達しました。
これは、多くの事業者がAIを一時的なブームではなく、今後の業務に欠かせないツールとして認識し始めていることを示しています。
そして、お客様もまた、AIを利用して情報を集め、会社を比較し、相談先を選ぶようになっています。
こうした変化を考えると、これから重要なのは「AIを使うか、使わないか」ではありません。
AIをどのように業務へ取り入れ、お客様とのコミュニケーションや情報発信に生かしていくか。
その視点が、これからのリフォーム事業者にはますます求められていくでしょう。
リフォーム評価ナビとしても、登録事業者の皆様が安心してAIを活用できるよう、活用事例やセミナー、情報提供などを引き続き充実させていこうと考えています。
AIは皆様の「時間」を生み出し、お客様との対話や提案に、より多くの力を注げるよう支えてくれる存在です。
今回のアンケート結果が、皆様にとって「まずは一歩踏み出してみよう」と考えるきっかけになれば幸いです。
※アンケート結果は専門誌等に情報提供を行い、複数社で取り上げられました。
新建ハウジングさま ▶ こちら
ハウジングトリビューンさま ▶ こちら
◆執筆者
一般財団法人住まいづくりナビセンター 専務理事
河田 崇
元 独立行政法人 住宅金融支援機構 部長
工務店向けの省エネ基準解説書や木造住宅工事仕様書の作成などに従事
マンション管理士 建築基準適合判定資格者 2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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