照明

更新日:2025年11月17日

部屋が垢抜けないのは「照明」が原因?種類と選び方、注意点まとめ

掲載日:2025年11月17日

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普段何気なく使っている照明ですが、「種類」や「選び方」ひとつで部屋の雰囲気も暮らしの快適性も大きく変わります。

特に、リフォーム時の照明計画は、天井や壁の造作が関わることも多く、後からのやり直しが難しいです。
せっかくのリフォームを後悔しないためには、最初の「照明選び」がとても重要です。

この記事では、照明器具の種類と選び方、場所別のおすすめ、そして工事で注意すべきポイントを整理しながら「失敗しない照明リフォーム」を詳しく解説します。

1. 照明リフォームで失敗しないための3ステップ

単に「ライトの種類」を知るだけでなく、目的と用途に合ったものを計画的に選ぶことが重要です。
失敗や後悔を避けるために、この3ステップで照明計画を進めましょう。

ステップ1:「全体照明」と「補助照明」のバランスを決める

照明器具は、その役割に応じて大きく2つに分類されます。

全体照明(ベースライト):部屋全体を均一に明るく照らす。例:シーリングライト、ダウンライト
補助照明(アクセントライト):特定の場所を照らしたり、光で陰影をつけて雰囲気を演出したりする。例:ペンダントライト、間接照明、スポットライト

まずは全体を照らすメイン照明を決め、次に読書や作業に必要な明るさや、雰囲気を足すための補助照明を選ぶのが基本です。

ステップ2:場所・用途別に最適な照明器具を選ぶ

食事をするダイニングと、リラックスする寝室では、必要な照明の種類と機能が全く異なります。
設置したい場所と用途から、最適な種類を選びましょう。
 
場所 必要な照明の役割 最適な照明の組み合わせ例
リビング 団らん・読書・映画鑑賞など、多目的空間 シーリングライト(調光機能付き)+間接照明・スタンドライトによる多灯使い
ダイニング 料理を美味しく見せる、手元を照らす ペンダントライト(高さ調節が重要)、補助のダウンライトやスポットライト
寝室 リラックス、安全な移動、読書 調光・調色機能付きシーリングライト、スタンドライト(枕元)、間接照明

ステップ3:光の「色(色温度)」と「明るさ(ルーメン)」を調整する

照明の明るさや色味を正しく選ぶことで、空間の印象がぐっと変わります。
光の種類 特徴と効果 適した場所
昼光色 (6,000K〜) 青みがかった白、最も明るく集中力を高める 勉強部屋、書斎、キッチン(作業場)
昼白色 (5,000K前後) 自然光に近い白、一般的な部屋の明るさ リビング(メイン)、洗面所、一般的な部屋
電球色 (3,000K前後) オレンジがかった暖色、落ち着き・リラックス効果 ダイニング、寝室、廊下

2. 【失敗回避】主要な照明器具9種類の特徴と注意点

ここでは、写真(イメージ)を交えながら、主要な照明器具9種類の特徴、主な役割、そして注意すべきポイントを解説します。

まず最初に、主要な照明9種類をシンプルに整理しておきましょう。

シーリングライト:最も一般的。部屋全体を均一に照らす「全体照明」
ペンダントライト:吊り下げタイプ。ダイニングなど“見せたい主役”に
ダウンライト:天井埋め込みで空間がすっきり。配置設計が重要
間接照明:光源を隠し、光で雰囲気を演出。ホテルライクに最適
スポットライト:方向調整が可能。絵・観葉植物などアクセント用
ブラケットライト:壁取付タイプ。廊下や階段の安全性アップにも
シャンデリア:豪華で装飾性が高い“主役”照明
スタンドライト:置くだけ設置。読書灯や雰囲気づくりの補助照明
フットライト:足元灯。夜間の移動を安全にする補助照明

これらを踏まえて、次から各種類の特徴・注意点を詳しく見ていきましょう。
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1. シーリングライト(全体照明の定番ライト)

 特徴: 天井に直接取り付けるタイプ。部屋全体を均一に明るく照らすのが得意です。
主な役割: 全体照明(メインライト)としてリビングや寝室などで広く使われます。
リフォーム時の注意点・ポイント:
o 設置: 既存の配線(引掛シーリング)があれば、多くの場合電気工事なしで簡単に交換可能です。
o 機能: 広く普及しているため、調光(明るさ調整)や調色(光の色調整)など、多機能な製品を選びやすいのがメリットです。
o 部屋の広さ(畳数)に合ったルーメン(明るさ)を選ぶことが重要です。パッケージの「〇畳用」の表示を参考にしましょう。
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2. ペンダントライト(ダイニングの主役ライト)

 特徴: 天井からコードやチェーンで吊り下げるタイプ。デザイン性が高く、インテリアのアクセントになります。
主な役割: 補助照明や雰囲気作り。特にダイニングテーブルの上やカウンターキッチンなどにオススメ。
リフォーム時の注意点・ポイント:
o 高さが重要!床から170〜200cm、テーブル面から70〜90cmを目安に試してみてください。低すぎると頭に当たり、高すぎると手元が暗くなります。
o 多灯使い: 複数のペンダントライトを並べる場合は、ダクトレール(ライティングレール)の設置が必要になることが多く、電気工事が必要です。ダクトレールを設置すると、照明の位置や数を後から自由に変えられます。
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3. ダウンライト(空間をすっきり見せる埋め込みライト)

 特徴: 天井に埋め込むタイプの照明で、空間をすっきりと見せることができます。またシーリングライトがホコリや虫の死骸で汚れて掃除が必要な一方、ダウンライトは天井に埋め込まれているため、掃除の手間がかからないこともメリットです。
主な役割: 補助照明や、複数設置することで全体照明の役割も果たします。光の角度を調整できるタイプもあります。
リフォーム時の注意点・ポイント:
o 工事: 電気工事と天井の穴あけ工事が必須であり、後からの位置変更や追加は非常に困難です。
o 設計: 配置計画が非常に重要です。事前に照らしたい対象(壁、絵画など)と光の広がりを綿密にシミュレーションする必要があります。また、断熱材の有無により使用できる器具が異なります(SB形ダウンライトなど)。
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4. 間接照明(リラックス空間を作る雰囲気ライト)

 特徴: 光源を天井、壁、床などに隠し、光を反射させて間接的に空間を照らす照明。柔らかな光でリラックス空間を演出します。
主な役割: 補助照明、雰囲気作り、空間の立体感を出す。
リフォーム時の注意点・ポイント:
o 建築化照明: 天井の段差に光源を仕込むコーブ照明や、壁面に沿って光を当てるコーニス照明は、リフォーム時の天井や壁の造作工事が必須です。設計段階で入念な打ち合わせが必要です。
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5. スポットライト(アクセント強調のライト)

特徴: 光の方向を自由に調節でき、特定の箇所に光を集中させることができる。
主な役割: 補助照明。絵画、観葉植物、コレクションなど、目立たせたいインテリアを強調。
リフォーム時の注意点・ポイント:
o 設置: ダクトレール(ライティングレール)に複数取り付けて使用することが一般的です。ダクトレール設置には電気工事が必要ですが、設置後はライトの数や位置を自由に変えられます。
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6. ブラケットライト(壁面を彩る装飾ライト)

特徴: 壁面に取り付けるタイプの照明器具。デザインが豊富で、インテリアのアクセントや装飾として活用されます。
主な役割: 補助照明。廊下、階段、玄関などで足元や壁面を照らし、安全性の確保や雰囲気を高めるために使われます。
リフォーム時の注意点・ポイント:
o 工事: 壁内に配線を通す電気工事が必要です。
o 高さ: 設置位置(高さ)によって、光の広がり方やデザインの見え方が変わるため、壁とのバランスを考慮して決定しましょう。
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7. シャンデリア(豪華な雰囲気の吊り下げライト)

 特徴: 複数の光源と装飾(ガラス、クリスタル、金属など)で構成された、豪華で華やかな雰囲気を持つ吊り下げ式の照明器具です。
主な役割: 全体照明と装飾(インテリアの主役)。
リフォーム時の注意点・ポイント:
o 重量: 比較的重量があるものが多いため、設置場所の天井の強度確認と補強が必須となる場合があります。特に古い住宅をリフォームする場合は、必ず専門家に相談しましょう。
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8. スタンドライト(フロア/テーブル)(手軽な補助ライト)

 特徴: 床や卓上に置いて使用する、自立式の照明器具です。
主な役割: 補助照明。読書用の手元灯、リラックスタイムのムード作りなど、コンセントがあればどこでも手軽に使えます。
リフォーム時の注意点・ポイント:
o 電源: 照明自体は工事不要ですが、使用したい場所にコンセントがあるか、またその配線が邪魔にならないかを検討しておきましょう。スタンドライト用に、床に近い位置にコンセントを増設するケースもあります。
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9. フットライト(足元灯)(安全を確保するライト)

特徴: 床の近くの壁面に設置し、足元をやさしく照らす小型の照明器具です。
主な役割: 夜間の廊下や階段での移動時、つまずきや転倒防止。
リフォーム時の注意点・ポイント:
o 設置: 壁に埋め込むタイプは、電気工事が必要です。
o 機能: 人が近づくと自動で点灯する人感センサー式を選ぶと、利便性が大きく向上します。
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3.照明リフォームで後悔しないための3つの秘訣

 ここでは、リフォーム経験者が後悔しがちなポイントから厳選した、失敗を回避するための「照明リフォームの秘訣」をお伝えします。

秘訣1:あなたの暮らしに合った「生活時間帯」を意識する

照明は「インテリア」であると同時に「暮らしを助けるツール」です。照明計画を立てる際、多くの人はカタログの「昼間の明るい状態」や「夕食時の雰囲気」だけを想像しがちですが、家族の生活時間帯を考慮に入れることも重要です。
後悔例: 「夜中にトイレに行く時、廊下が明るすぎて家族を起こしてしまう」「朝早くキッチンを使うが、明るい光で目が覚めすぎてしまう」
成功のコツ: リフォーム会社に「夜間や早朝に誰がどこをどう使うか」を具体的に伝えましょう。
対策例: 廊下や階段、トイレは人感センサー付きのフットライトで必要最小限の光にし、寝ている家族に配慮する。リビングの全体照明には、最小限の明るさを設定できる調光機能を導入する。

秘訣2:照明は「消した時のデザイン」も重要

ペンダントライトやシャンデリアは、点灯時の美しさに目が行きがちですが、日中の消灯時もインテリアの一部として存在感を放ちます。特にリビングやダイニングのメイン照明は、消している時間の方が長いという現実を忘れてはいけません。
選び方のヒント: 点灯時と消灯時、両方の写真や、素材感(ガラス、ファブリック、金属など)を確認し、部屋のテーマに合っているか検討しましょう。

秘訣3:多灯使いで「立体感」を演出する

昔ながらの日本の照明は、リビングの中央に大きなシーリングライト一つ、というパターンが主流でした。しかし、これでは光が均一すぎて、部屋に奥行きや雰囲気が出ません。
リフォームをする際は、「一室一灯」から「多灯分散照明」がおすすめです。全体照明の明るさを抑え、間接照明やスポットライトを複数使い、必要な場所に光を分散させることで、部屋が立体的になり、高級感やリラックス空間を簡単に演出できます。

4. 【実例で学ぶ】場所別のおしゃれな照明リフォーム事例(全15例)

実際の施工事例を見ることで、あなたの理想の空間にどの照明の種類が合うか、具体的なイメージを掴みましょう。ここでは、リフォーム評価ナビの登録事業者から15の豊富な事例を場所別にご紹介します。ダウンライトやペンダントライトなど、空間でどのように使われているかを比較し参考にしてください。

リビング・ダイニングの照明リフォーム事例

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照明リフォーム事例1:多灯使いと間接照明でホテルライクな空間に

“不要なもの取り払いディテールにこだわったデザイン性のあるホテルライクな空間に仕上げました。”
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照明リフォーム事例2:ペンダントライトと間接照明で上品なシャビーシック空間に

“白を基調とし、優しい甘さをプラスするグレージュヒッコリー柄の床を合わせ、アクセントにペンダントライトやレトロ感のある取っ手を使った優雅で上品な「シャビーシックインテリア」が特徴のお家です。また造作の収納棚に間接照明をつけ印象的に演出しました。”
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照明リフォーム事例3:ブラック×ウッドのモダン空間を引き立てるスポットライト照明

“お施主様のご希望のイメージを元に空間をご提案。 ナチュラル×ブラックでかっこいい印象に! 照明計画は、できるだけ天井を高くとりお部屋を広く見せるためダクトレールを。”
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照明リフォーム事例4:やわらかな間接照明と白を基調とした開放感のあるLDK空間

“マリメッコの柄をパントリーや階段下収納に取り入れ、遊び心をプラス。フロアライトもマリメッコ柄でリメイク。”
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照明リフォーム事例5:間接照明が天井を照らす、光で魅せる大人のスタイリッシュ空間

“木目天井の上部に灯る間接照明の柔らかな光が、無骨なコンクリートの質感に陰影を生み出し、ニュアンスのある空間を演出します。”
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照明リフォーム事例6:天井の間接照明が柔らかく包み込むホテルライクなリビングダイニング

“希望のスタイリッシュな内装を実現できるよう、ディティールにもこだわってお打ち合わせを重ね、照明、家具を含めたトータルで提案しました。折り上げ天井を利用し間接照明を配灯。シーンに合わせて光色の変化や明るさの調整が可能です。”

寝室の照明リフォーム事例

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照明リフォーム事例7:照明が引き立てる、木の温もりと上質な眠り空間

“ベッドヘッドとサイドテーブルを造作し、ホテルのような落ち着いたお洒落な寝室をご提案しました。ベッドヘッド上と足元側の壁の間接照明の効果でくつろぎと癒しを生み出す空間になりました。”
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照明リフォーム事例8:寝室にほの灯りのニッチ照明アイデア

“ベッドルームは頭側に眼鏡や本を置けるようニッチを設け、スマホの充電ができるようにコンセントを配置。ニッチ内には照明を付け、夜中⽬覚めたときにちょっとした明かりを確保できるように配慮。”
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照明リフォーム事例9:クローゼット内の照明で衣類が美しく見える空間へ

“壁面収納は中にダウンライトを設置し、高級感を出しました。”

水回りの照明リフォーム事例

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照明リフォーム事例10:光と影で空間をデザインする洗面所リフォーム

“間接照明の光・影の演出で、まるで非日常にいるような印象へ。”
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照明リフォーム事例11:間接ラインの光でバスルームをホテル級にアップデート

“浴室は調光調色ができるラグジュアリーミラー・ストレートライン照明をご採用いただき、
洗面台の照明との組み合わせで、ラグジュアリーな空間となりました。“
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照明リフォーム事例12:ニュアンスグレーとペンダントライトでつくる上質なトイレ空間

“グレーでまとめたシンプル×おしゃれなトイレ空間。”
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照明リフォーム事例13:背面ニッチにタイルと照明を仕込み、ホテルライクなトイレ空間に

“トイレの背面にニッチを造作。タイルを貼り、照明を仕込みました。”

その他の照明リフォーム事例

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照明リフォーム事例14:遊び心ある“雲”照明でつくるキッズルーム

“1階は雲形のブラケットライトがとてもキュート!柔らかいシリコン製なので頭をぶつけても大丈夫です◎”
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照明リフォーム事例15:外光+照明の相乗効果で心地よい明るさを叶えた玄関事例

“つり戸と玄関収納を新設し、照明器具も新しくした玄関。玄関ドアをスリット入りにしたことで、暗くなりがちな玄関に外の光を取り込むことで明るい玄関になりました。”

5. 理想の照明計画は専門知識を持つ会社との相談から

照明リフォームの成功の鍵は、照明器具の「種類」を知ることではなく、「その場所で何をしたいか」という用途に合わせた計画的な設計です。

特に、ダウンライトや間接照明などの「建築化照明」の導入は、事前の配線計画と工事が必要であり、後からの修正が非常に困難です。

理想の空間を実現するためには、照明設計の知識を持ったリフォーム会社に相談し、専門家の視点からアドバイスを受けるのが最も確実です。リフォーム評価ナビを活用して、あなたの理想の照明計画を実現してくれるプロを探してみましょう。
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